花が咲く頃にいた君と
結女が産まれたのは、俺が15の時


養っていく術がなかった。



だから、下宮比の親っさんを頼るしかなかった。


組に所属して、下っぱから始めて、漸く幹部まで登りつめた。



俺はな、ホストなんかじゃないんだ。


やくざ、なんだよ。



…―――――年齢に続いて、またもやカミングアウト、あたしはもう驚きはしなかった。




おい、もっと驚けよ。

まぁ、いい。

話を戻してだ…
きっと東向日財閥は、結女の存在を知ってた。


日本でも五本の指に入る財閥だ、知らないわけねぇ。



だから不安だった。

いつ結女をかっさらわれるのか、いつだって気が気じゃなかった。



もしも、もしもその時が来てしまったのなら
すぐに動ける様に…


いや、そんな時が来ないように、俺は常日頃から東向日の動向は把握していた。



常に、敏感に情報を集めていたんだ。


えっ、何で夜に仕事かって?

まぁ、その話は後々な。



ここ数年動きは無かったよ。
あのじいさんは、結女に全く興味がないみたいだったからな。



けどそれはすぐに思い違いだと気付かされた…



< 232 / 270 >

この作品をシェア

pagetop