花が咲く頃にいた君と
さよなら、ボロアパート
「まぁ、ココアでも飲めや」
突然飛び込んできたあたしを、下宮比さんは驚くことなく出迎えて
今は二階の自宅で、湯気の立ち上るマグカップを目の前に置いてくれた。
「何があったんだ?」
下宮比さんは、いつもストレート。
だいたいのことは十夜から聞いてるの、察してくれるけど。
基本的には、話し出すまで待ってはくれない。
率直に尋ねられる。
「十夜が、ボロアパートから引っ越そうって」
「ほー。良かったじゃん」
「良くないよ!あそこは“お母さん”の思い出が詰まってる場所だし、何より十夜が大切にしてきた場所だよ!」
「あいつは何て?」
声を荒げるあたしに対し、下宮比さんは冷静に問いかけてくる。
「過去にしがみついてるわけにはいかないって」
「なるほどな」
下宮比さんは一人で納得して、喉の奥を鳴らすよう、くくくっと笑った。
下宮比さんと十夜は深いとこで繋がってる。
だから、あたし伝いに聞いた話でも、よく十夜の気持ちを理解してくれる。
突然飛び込んできたあたしを、下宮比さんは驚くことなく出迎えて
今は二階の自宅で、湯気の立ち上るマグカップを目の前に置いてくれた。
「何があったんだ?」
下宮比さんは、いつもストレート。
だいたいのことは十夜から聞いてるの、察してくれるけど。
基本的には、話し出すまで待ってはくれない。
率直に尋ねられる。
「十夜が、ボロアパートから引っ越そうって」
「ほー。良かったじゃん」
「良くないよ!あそこは“お母さん”の思い出が詰まってる場所だし、何より十夜が大切にしてきた場所だよ!」
「あいつは何て?」
声を荒げるあたしに対し、下宮比さんは冷静に問いかけてくる。
「過去にしがみついてるわけにはいかないって」
「なるほどな」
下宮比さんは一人で納得して、喉の奥を鳴らすよう、くくくっと笑った。
下宮比さんと十夜は深いとこで繋がってる。
だから、あたし伝いに聞いた話でも、よく十夜の気持ちを理解してくれる。