花が咲く頃にいた君と
「だから今度こそ、結女の父親として、辛い時には力になってやりたいんだろ。出来ることなら、全てのことから守ってやりたい。

あいつにしちゃ、立派な親心じゃん!」


下宮比さんは、ははっと笑ってあたしの頭をくしゃっと撫でた。



「けど十夜!本当はあそこを離れたくないんだと思う」

「何で、そう思う?」



あたしは下宮比さんの手を、頭から引きずり下ろすと、真っ直ぐとその瞳を見上げた。



「きっと離れたくないだろうな」



あたしの真剣な瞳に、下宮比さんも真剣に答えてくれる。


「なら…!」

けどその回答に、納得いかない。



「けどそれ以上に結女が大事なんだ。わかってやってくれ、あいつの気持ち」

「わかんないよ…」

「そうだな。まだわかんないよな」



不貞腐れるあたしに、下宮比さんは頭を優しく撫でてくれた。



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