花が咲く頃にいた君と
あたしたち4人は、クラスでも浮いた存在だった。

ある者は疎まれ、ある者は怖がられ、ある者は輪には入れず、ある者は何となく輪に加わらなかった。

そんなあたしたちは俗に言う“余り者”
別にそれが嫌で群れている訳ではないけれど、気付いたら“余り者”同士近くにいて、適度に群れるようになっていた。


けど、どこか普通の女子とは違う。
そこに同胞意識なるものは無いし、お互いがお互いに干渉しない。

曖昧で丁度いい距離を保って、あたしたちはここに居る。



「もうすぐ予鈴だわ」


保泉が席を立つのを合図に、明美も首に掛けていたでっかいヘッドホンを耳に当てた。

日高は、昼休みギリギリまでサッカーをしているバカな男子に声援を贈っていた。

あたしはといえば、机に突っ伏して瞼を閉じた。


あたしの日常はそんな感じ。

可もなく不可もなく。

ただ普通の女子高生よりも、周りに無関心ってだけ。


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