花が咲く頃にいた君と
荷物をそこらへんに置いて、ベッドへと倒れ込んだ。


色んなことが有りすぎて、あたしのキャパシティは破裂寸前だった。



『離ればなれなんてなるわけないだろ』

『お前を捨てるなんて、世界が破滅してもねぇよ』


瞼を閉じれば、昔十夜が呟いたことを思い出す。


「離れ離れじゃん、ボケ」



昔、十夜があたしを売ったとき十夜は全部分かっててあたしを売った。


ちゃんと十夜の手元にあたしが返ってくることが分かってた。



あたしのじゃじゃ馬っぷり。
柄は悪いけど、人情厚い取り立てのやくざ達。
組長の息子の下宮比さん。
その親友の十夜。


十夜は全部分かってて、あたしを売った。





じゃ、今度も一緒だよね?





あたしは十夜の元に帰れるよね?





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