花が咲く頃にいた君と
今しか無いこの時期に、熱く青春なんかする気はさらさらない。そんなことしてる時間があるなら、1分でも長くバイトに入りたい。


つまりあたしは、一千にもにもならないことはしたくないのだ。


だから、恋愛なんてもってのほか、興味すらない。


17にもなってこれは流石にヤバイかもしれない。って感じるけれど、別に焦ることも無いだろうし、今はその時ではないだけなんだろう。なんて 軽く思っている。


人生は果てしなく長い。

まだ10年そこそこしか生きていないあたしが、恋愛をしたことが無くたってまだまだ遅くないように思う。


だから、今はまだ…。



「‥‥さん…ろさん、ふゆしろさん、冬城さん」

体を揺さぶられて、重たい瞼をゆっくりと開いた。枕にしていた腕が痺れて、二度寝する気分になれない。


「当たってる、問6」


こいつは誰だ?


それが、睡魔に持っていかれそうな意識の中で、浮上した疑問だった。


「これ、答え」

差し出されたノート、男のくせに綺麗な文字が、書き連ねられている。


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