花が咲く頃にいた君と
「冬城さん♪」


リズミカルに呼ばれた名前。


ギクリと身体を強張らしながら振り返る。



さっきまでレジの店員だったくせに


「一緒に学校行こうか」


いつの間にそこに立っていたのか、学校の制服を身に纏っている。



彼、柊の言葉、あたしに拒否権はない。




うん、とも、はい、とも答えてないのに、


柊はあたしの隣に肩を並べた。



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