花が咲く頃にいた君と
「もう、飽きたんだ」


そんな急なカミングアウト辞めて下さい。


他あたって下さい。



あたしに聞かせないで。



「冬城さんが一番、ましだったから」

「うん、女の子って感じしないから」

「偏見とかでモノ見なさそうだし」


あたしは1限サボって何やってるんだろう。



なんでこんな意味の解りかねる連中に囲まれてるんだろう。



多分、あたしが一般女子なら、ドキドキしてる。


あまりのときめきに、鼻血垂れ流して貧血起こしてる。



こんな惜しいシュチュエーションなかなか無い。


なのに、あたしの気持ちはどんどん下がってる。

それはもう、マッハのスピードで。


「伊吹それはダメだろ。一番ましだったなんて」

「横峯こそ、女の子みたいな感じしない、なんて冬城さんに失礼だろ」


あたしを取り囲んで、イケメン三人衆は、あーだこーだ“あたし”について喚いてる。



「あんたら絶対、狙ってるでしょ?」


別に女の子らしくもないし、平々凡々だし、他の女子と比べたら、こんな連中に興味なんて微塵もないし、良く居る4人の中でも色んな意味で一番ましだと思うよ。


本人であるあたしが、一番理解してますよ。



けどね、けどよ


こんな野郎共に言われるとムカつく。



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