花が咲く頃にいた君と
女共はあたしの暴走に逃げ帰っていった。


あたしは鼻息荒く、その場で立ち上がり、まだ収まらないイライラをそこにあったゴミ箱へぶつけた。



泣くなんて選択は初めからなかった。


殴るってことしか頭にはなかった。


ぼろぼろにされながらも、あの変態共に弱味を見せるのは悔しくて


身体を引きずって売店にいき


屋上に帰ると、唖然とする彼らの前に、パンやらお茶やらを落とした。



「さっそくやられたのか?」


あたしは何も言わずに、彼らの輪の中に入った。



他人になんて、興味ないし。

むしろお金にしか興味ない。



なのにあたしは負けず嫌い。



「あんたらの盾にでも何でもなってやろうじゃないか」



口の中は血の味がする。

ボサボサの髪、ほどいて手櫛ですいた。



もう一度縛り上げて、彼等を見据える。



売られた喧嘩だ。

買ってやろうじゃないか。



彼等の向こうに、ほくそ笑む女共を見た気がした。



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