花が咲く頃にいた君と
「東向日、行こう」


付いてこない東向日に、振り返る。


「えっ!?あっ?う、うん!」



ちらりと柊を確認して、東向日はあたしへ駆け寄ってきた。


一瞬、柊に視線を向けたが、後悔した。


何かを企む怪しい笑み。

背中に悪寒が走った。




「学校であたしに話し掛けない方がいい。むしろ近付かないで」


柊を睨み付け、東向日に話しかける。


「それっで、どういう…」

「あたしにも色々あるんさ」


困惑した東向日の言葉を遮り、気の抜けた言葉を続けた。




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