花が咲く頃にいた君と
東向日とは別々に教室へ入った。



「ちょっと、ちょっと、昨日のどういうこと!
なんで“みなの伊吹くん”と一緒に居たの!?」


教室へ入るなり、日高が駆け寄ってきて有無を問わず、肩をガタガタと揺すられた。



「何々、冬城が先に落としたのかよ」


ニヤニヤ笑いを浮かべながら、明美はあたしら2人を見てた。


「ふっ、所詮、冬城も一般女子だったってことかしら」


保泉は文庫本片手に、鼻で笑いやがった。



「ちょいちょい、話を勝手に作らんでくれるかね」


あたしはどうでもいい風呟いて、肩に乗った日高が両手を掴んだ。


周りの視線は今にもあたしを射殺しそうなのに、それさえも彼女達は楽しんでいる。



「じゃ、どういうこと!?みなの伊吹くんとはどういう関係!?」



まさか脅されてます。

…とは言えない。


むしろあたしのプライドそれを許さない。



「お、王と下僕?」



あたしに言えるのはこれが精一杯。



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