億万色Love
Episode1
突然すぎ!!
授業終了のベルが鳴り響き、ざわざわ人が溢れてくる
広い中庭に並ぶベンチに座り、晴れ渡る綺麗な空を眺めた
七元 凜
(ななもと りん)
このA大に通いだして三年が経った
得に目立つこともなく、平凡な毎日を送っている女子大生
「ナナ!!」
買ってきた昼食のパンを頬張る手前で誰かに呼ばれ振り返った
「いつ来たの?」
「さっき。今日、午前中は授業がなかったからね」
「やっぱり。朝見ないと思ったんだぁ。あ、私にも一個ちょうだい♪」
そう言って、袋からもう一個のパンを取った友人
佐倉 香留
(さくら かおる)
高校から一緒で、このA大を受けるのも二人で決めたんだ
学科は違うけど、毎日こうやって話ししたりしてる
「ねぇナナ〜」
あ、ちなみに"ナナ"は私のあだ名です。
苗字の七元から由来する
「ん?」
「お願いがあるんだけど」
パンを食べながら肩を寄せてきた香留
またか…‥
今回は絶対行かない
「断る」
「まだ何も言ってないじゃん…!」
「もう分かるよ。どうせまたコンパでしょ?人が足りたいから、人数合わせで参加してほしい!でしょ?」
「あぁ…‥へへ」
「だから断る」
「そんなこと言わないでさぁ、一緒に行こうよ〜」
「嫌」
「ナナ〜」
「い―や」
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