億万色Love
天才学校でトラブル?
「はじめまして。A大学から来ました、七元凜と申します。宜しくお願いします。」
私の挨拶の後に盛大な拍手が鳴り響く
「じゃ、今日は一番後ろに座って見学しててね」
「はい」
教師に言われ、一番後ろの席に座る
S大初日…
なんとか第一関門
"自己紹介"突破。
これだけは苦手なんだよね…
こんな大勢の前に立つだけでも、気分が悪くなる
外国語学部は全員で1500人いて、五つの教室に分かれている
私は英語とドイツ語専攻の教室になった
このクラスにも300人弱…
教室も、一番後ろに座っている私が、一番前に立つ先生を豆に見えちゃうぐらい広いんだ
教室の前にあるスクリーンに映し出される仕組みになっているから、遠くても全く不便ではない
そして、肝心の陽介くんはというと…
当たり前のように教室は違った
こんな大勢の中、たとえ学部が一緒でも教室が同じになるのはよほどの確率だ
まだ知らないけど、周りの話からすると何種類かの語学を学べる特別専攻の教室にいるらしい…
大学中で"条地陽介"の名を何度聞いたことか……汗
注目されてる存在というのは痛いほど分かった
カーン…カーン……
屋上の鐘が綺麗な音色を奏でる
これが、チャイムみたいなものだ
.