天使な執事と悪魔な執事
あたしの前にしゃがみこみ、唇を寄せている男の隣に立っている同じ顔の男。

真っ黒なスーツに身を包んで髪の毛は地毛なのか綺麗な漆黒の髪で、顔には別の男と同じ場所に黒子がった。

双子でも好みの色は違うんだぁ。

と、ついつい考えちゃったけど今はそれどころじゃなかったわ…。

今の状況を逃げ出さなくちゃ。

必死に逃げ出す方法を考えたけど…思い付かない。

ばかばか…あたしの馬鹿。

そんなことを思っているとあたしの手を掴んでいた男が立ち上がった。

よ…ようやく解放されたぁ。

捕まれていた手は緊張していたせいか…汗ばんでた。

ベタベタじゃん。

手を離した男はあたしに深々と頭を下げてこう言った。

「申し訳ありませんでした。お嬢様に会えて嬉しくて…つい」

つい…キスする?普通?
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