天使な執事と悪魔な執事
いやいや、嬉しいけれど、今の状況の説明になってない気がする。

あたしはもっと詳しい説明を聞きたくて言葉を続けるつもりだったけど…言葉にならなかった。

既にあたしの耳には野次馬の生徒達の声は聞こえていなかった。

ただあたしを知ってる二人の男性の言葉だけ聞こえていた。

「それじゃあ…行こうか…お嬢様…」

そう言ってあたしが手にしていた自転車を奪う…?とあたしを車に乗せようとした。

「ち、ちょっと待ってくださいよぉ」

あたしは思いっきり叫んでた。

あたしの声にビックリしている生徒達がいたけれど気にしてる暇さえない。

「こ、困りますよ今から学校ありますし…第一、あたしは行くとも言ってないですぅ。」

そう泣きそうな声を出したあたしに苛ついたらしい琥珀さんが…乱暴な口調でこう切り出した。
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