天使な執事と悪魔な執事
「制服だけでかなりの時間ロスだわ…。お弁当も朝御飯も無理…」

あたしは曲がったままのネクタイをそのままにして、両親の仏壇の前に立った。

急いでいたってこれだけは忘れられないもんね。

「慌ただしくてごめんね…今日も1日頑張ってきます」

そう言ってあたしはアパートの外に停めてる愛車…自転車に乗り込んで力一杯ペダルを踏んだ。

「お、お腹が空きすぎて力がでないぃ。ファイトよ 伊織」


自分で自分を励ましながら進んでいくけど…本当は自業自得なんだよねぇ。

誰のせいでもないってやつよね。

溜め息つきながらペダルを踏んでたら、もっと力が抜けてった…。
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