≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
あれは

小学生の時だ

どうしても読みたいマンガ本があり

貰った『図書券』で買おうとした

手元の図書券で 欲しい本が『3冊』買える

しかし その中の一つが月刊誌だった

『1冊分』は来月分にとっておいて

今回は『2冊だけ』買おうか

今日『3冊買ってしまおう』か

迷った事がある


「全部使っていいわよ」

女の人の声だ


周囲で立ち読みしている大人たちを見回した

しかし、周りにいるのは男性だけだ


「なんだろう、今の声…」


小学生だったオレは よく訳は分からなかったが
声のとおりに本を3冊買うことにした


そして 図書券を全部使い切った


本を買い
家に帰ったが
家では別に変わった事は何も起きなかった


ところが だ


次の日学校での出来事だ

オレは 朝のホームルームで 担任から名前を呼ばれ 立ち上がった

すると
オレの読書感想文が市の選考で 入選したとの発表だった

クラス全員がオレに拍手した


そしてなんと
その時の副賞が
『図書券』だった
子供のオレには
それは とんでもない
『儲け』だ


オレは とくにその日から

得体のしれない声の主を
捜すようになった
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