≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
オレの気配に気づいて起きたのか

初めから熟睡していなかったのか

オレが太田の隣に到着すると

顔にかけていた タオルをのそっと取ると


「おせぇ・・・」


しかし それだけだった


太田は オレが持ってきたうどんの片方を

オレから 受け取ると 普通にもくもくと食べ出した

見るからに寝起きってカンジ

やはり熟睡していて オレの気配で起きたようだ

太田は 割り箸を上下逆に使っていることに気づかずに

うどんを食べるほど 『寝ボケ』ていたからだ


「他のヤツらは?」


オレはうどんを掻き込みながら

辺りを見回した


「ごふっ・・・ ほーふはへ!」


太田は 口に麺をたっぷり入れていたので

うまく発音出来ていなかったが

オレには通じた


『ボール当て』


男子はヒマになると 必ずコレをやって

ストレスを発散する

柔らかいボールがあれば一番ベストだが

ボールがなければ 固く丸めた紙でも

なんでもいい

とにかく ボールを誰かに当てて

その当てられたヤツがオニ


単純なこのルールが グループ遊びでは

すんなり やりやすいらしい

太田がこの遊びに参加しなかったのは

元々 足が遅いせいなのか

オレのうどんを 待っていたせいなのかは

知らないが


「あいつら 体力あるよなぁ」


と うどんを呑み込んだ後に言っていた
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