≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「ハイ 全員集合してくださいっ!」


手持ちのスピーカーで 皆に呼びかけたのは

教頭だった

教頭の呼びかけだけで 全員集合することはない

それぞれの クラスの担任が

自分のクラスの生徒に呼びかけている


「ほらぁ 荷物持って集合ぉ~!」


小津も 1組が並ぶべき場所に立って

大声で叫んでいた

オレと太田は やっと掻き込み終わった

うどんの容器とリュックを持って

1組の集合場所へ行った

女子はすでに 並んで座っていた


1組男子の列の最後尾に

慌てて滑り込んで来たのは 横山、青山、桜谷だった

恐らく 青山と桜谷は 最後まで無理矢理

横山に『ボール当て』を付き合わされた

のだろう


「皆さん この道を下ったら ふもとに

バスが待機していますので 来たとき同様

バスに乗って 学校に戻ります

学校でバスを下りた時点で『解散』しますので

各自 今日は自宅で ゆっくり休んでください!

皆さん お疲れ様でした!では 先生方!

バスまでの誘導を お願いいたします」


教頭の話が終わると 皆パラパラと立ち上がった


ふと さっきうどんを入れてもらった

テントのあった場所を見ると

中道さんと島田さん その他手伝いの父母が

荷物をそれぞれの車に分配して乗せていた


『こんな 炊きだしなんて『親』でも大変だから

イヤがるのに・・・』


『登山 炊きだしのお手伝い』の

参加・不参加のプリントを

学校から持って帰って 母親に渡した時も

苦い顔をしていた


「この日は ちょっと 忙しいのよねぇ~」


と 特に『その日でなくても問題ない用事』を『優先』させ

『行けない』理由にするという程度の感覚だ
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