≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
ハルは 自分のせいで 皆というか

ほとんどの 女子が楽しみにしていた

キャンドルサービスが 中止にならなかったか

どうか 気にかけていたのだった


「へへ・・誰にも恨まれずに済む!」

ハルは オレがここへ来て はじめて

ニコッと笑った


「確かにね~ 女子はほとんど泣いてたよ!

まぁ 生徒会副会長の 井本さんを除いてだけどね!」


ハルは プゥ~ っと吹き出すように笑った

ハルの 笑顔は オレの心も明るくする

やっぱり オレにとって ハルはとても大切な存在だ

そう思えたことが オレの心を 温かくした


「ヒカルは?」

「あっ?」

「ヒカルは どんな事言ったの?」


オレ? 本当はどうでもいいような事を 言ったと思う

昨日は 精神状態が フツーじゃなかった

キャンドルサービスの最中も 滑り落ちた時の記憶と

日村 令子との 会話で 頭がいっぱいだった


「将来の夢は?

高校生活で一番想い出に残った事は?

残りの高校生活でやりたいことは?

教えて!」


「そんなん聞いて どうすんの?」

ハルは ウキウキしてるようだった

まるで 昨日登山に出かける前の あの教室に

居た時のように・・・

「知りたいの!ヒカルのコト 全部!」


『全部』 

と言われ オレは ドキッとした


オレの『全部』は この霊能力も含めてが『全部』だ

だが とても こんなあどけない ハルに

言う勇気はなかった


「オレは・・・いいよ」

 
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