≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
そう言うと ハルは ほっぺたの両方を

プゥ~ っと いっぱいにふくらまし


「いじわる! いいモン リンコに訊くから!」

と 返してきた


「ほんと 大したこと喋ってない!って・・・

それより ハルは 何を喋るつもりだったわけ?

その 将来の夢とか・・・」


オレが質問すると ハルは 少し赤くなって

上目遣いで 天井を見た


「・・・今は言えない!」


「なんで?みんなの前では言えて オレには

言えないって どーよ!」


ハルは 少し黙ったが・・・


「明るいうちは 言えないの!」


「はっ?」

訳わかんねぇ


「て ゆーか・・・ あれは 神聖なキャンドルに

『誓い』を立てるから 意味があるの!」


キャンドルねぇ・・・ 確かに夜に灯すと 神聖っぽい

あれ? そういえば・・・ オレは ジャージの

上着のポケットの中を ゴソゴソと手の感覚で確認した


『あった』


「じゃあ キャンドルがあれば 言えるわけ?」

「う~ん まぁ・・ そうかなぁ」

ハルは 言いたそうな 言いたくなさそうな

妙なそぶりをしてみせた


「ほら!」

オレは 今朝 宿泊施設で 踏んづけてしまった

少し すその欠けたた キャンドルを

ハルの 目の前に 片手で突きだした


一瞬 目の前に何が登場したのか

分からないでいたのか ハルは きょとんとしていた



< 113 / 307 >

この作品をシェア

pagetop