≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
やっと それが キャンドル と確認できたのか

ハルは

「・・・なんで・・?」

と だけ言って オレの手から

キャンドルを そっと取ると 

ボロボロのキャンドルを 大事そうに握りしめた


「ヒカル・・・ライター持ってる?」


ライターは持ってない  が しかし

オレは 火担当係でもあり

家から 『チャッカマン』を持ってきていた


「チャッカマンならあるけど・・・」

「うん いいよ」


そう言うと ハルは ベッドの横の棚に置いてある

病院の シルバーの器 これは恐らく消毒の時とかに

使った 消毒の綿とかを 入れる容器と思われる

モノを ベッド用のテーブルの上に準備した


「火を点けてもらっても いいかな・・・」

「うん チャッカマンだと 神聖さが台無しだけど」

そう言うと ハルは クスッと笑った


ハルの持った キャンドルに 火を点けると

ハルは 熔けたロウを シルバーの器に


ポタッ ポタッ と落とし

その ロウの上に キャンドルを立てて

キャンドルを 安定させた

オレは キャンドルが 少しでも目立つように

病室のカーテンを閉めた

夕方4時前ということもあって 

カーテンを閉めても 結構明るかったが

しないより 雰囲気は出た


「じゃあ 昨日の 夜の仕切直しです!

では 3年1組 奥村 ヒカルくん!

高校生活で 一番想い出に残ったこと!

残りの 高校生活で やりたいこと!

将来の夢!  はい どうぞ!」


ハルは 手にマイクを 持ったかのように

オレに 架空のマイクを 手で向けた


「なんだよ オレかよ!」
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