≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「はい では 次!

3年3組 浅川 春菜さん どうぞ」

と もう片方の手で 『キュー』を出した


ハルは 尖らせていた口を元に戻し

チラチラと 揺れる キャンドルの炎を

見つめた


「高校生活で一番想い出に残ったこと・・・

1ヶ月間だけ 野球部のマネージャーを

やったこと

高校生活で やっておきたい事

体重をあと3Kg減らすこと

将来の夢

自宅で トラを飼うこと」


と つらつらと言うと 炎を見つめていた

目線をオレに移し ニヤっと 笑った


「いい加減にせえ!」


オレは オレのレベルに合わせて発言した

ハルに 突っ込みを入れた

二人で久しぶりに大笑いをした

笑って笑って・・笑ったあと・・・


ハルが 小指の先くらいに短くなったキャンドルを

再び見つめて こう呟いた


「・・・な~んてね! 今のはぁ・・建て前!」


オレは 今度は何が飛び出すのかと

笑いの準備が出来ている 横隔膜を ガマンさせた


「今度のは 本当だから!」

「はいはい」

オレは 吹きそうになりながら 応えた


「高校生活で一番想い出に残ったことは

奥村 ヒカルくんと 一緒に過ごした時間 全部です

残りの高校生活で やりたい事は

その時間も 全部 奥村 ヒカルくんと

一緒に 過ごすことです

将来の夢は・・・ おばあさんになった時も

私の隣に 奥村 ヒカルくんが 居てくれることです」
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