≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
ハルの様子がおかしかったのは オレを

巻き込んだことを 気にしていたからなのか・・・

それに 『行ってはいけない!』って 

ハルは どこまで知ってるんだ


「あの場所・・・ なんで行っちゃいけなかったのか

知ってるの?」

ハルは 後ろめたそうに 目をそらし 口を開いた


「5年前に・・・ 私たちが滑り落ちた所と

同じ場所で・・・生徒が 大ケガをしたんだって・・・」


5年前?

日村 令子と話した時は そんな事言ってなかったぞ


「何があったの?」


「詳しくは 分からないけど 生徒が楠木の所に

置いてあった お墓のような 石に乗って

ふざけていたんだって その時 石に乗った

うちの生徒が 石ごと 私たちみたいに下に

滑り落ちたんだって あの頃は 途中に岩があって

その生徒・・・ 滑った時に その岩で

頭を打って 意識不明になったんだって・・・」


オレは ゴクっと つばを呑み込んでみたが

口の中は カラカラで のどが呑む動きをしただけだった


「・・・それで その生徒はどうなったの?」


「今はどうなったか 分からないけど・・・

その頃は 植物状態になってしまったんだって」


オレは 一瞬にして 瓜生さんを思い浮かべた

勿論 一度も会ったことのない 瓜生さんだが

その たたり ではないかと思った

いや オレが昨日見たのは 高野先生・・・

いや、まて・・そういえば昨日の霊について誰も

それが高野先生とは言っていないような・・・


「お兄ちゃん 生徒会長だったから 

引き継ぎの時 前の会長からその話し 

聞いたんだって  

でも5年も経つからみんなの意識も

薄れてきてたみたいだし・・・

私・・・大丈夫かな・・・って・・思ったの

ホント ごめんね! ヒカル!」
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