≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
そこには 和服を着た 30代前半くらいの女性が

ボーッと 浮いていた

なんだ?こんな時に・・・

オレは 無視して そのままハルに顔を近づけようとした


バチッッ!


「イタイ!!」


2人同時に叫んだ


「何?静電気?」


ハルが言った


「冬でもないのに?」


ハルの肩越しの 女の霊・・・

きっと この霊の仕業だ

しかし この霊はさっき病院に入った時から

見てきた 何体かの霊とは違い

なにか・・・そう 気品に溢れている

そんな 印象だ


「仕切直しだね!」


ハルは 首を チョンと横に倒して

再びオレを見つめ また 静かに目を閉じた


次に オレの身体は もうそれ以上動かなかった

『蛇に睨まれた蛙』とは この事だろう


オレは ハルの肩越しの霊の 威圧感に

圧倒されていた

ただ 『悪意』は 感じなかった

すると 霊は また こう言った


《出ておゆき・・・お前にこの子は守れない・・・

一緒にいれば かえってこの子が苦しむだけ・・

それも常人の苦しみではない お前では・・許さぬ》


オレは その時気づいた


この女の霊は ハルの 『守護霊』だ
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