≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
それから オレは とりあえず目の前にある

からあげ やら ポテトサラダをつまんだ

飲んでいた ハイボールも カラになったので

カウンターの方へ注文しに行こうと席を立った


樹花の カシスオレンジのグラスに目をやると

樹花のグラスも 空になっていた


「オレ なんかたのむけど キミは?何か飲む?」


と 大声で聞いた


「ウーロン茶」


樹花は オレにそれだけ言うと

ピザの続きを 食べ出した

カウンターに行き バイトの店員に


「ジントニックとウーロン茶 一杯ずつ」


と頼んだ


カウンターに 腰掛けたが すぐにドリンクが

仕上がったので また すぐ立ち上がった


オレは 喋ってるメンバーたちの間を

カニのようにすりぬけて 持ってきたドリンクの1つを

樹花の目の前のテーブルに コン と置いた


樹花が ピザで一杯になった 口を

片手で押さえながら オレに軽く ペコっと頭を下げた


オレは 今度はそこには腰掛けず 

ジントニックを持ったまま パブの外へ出た


そのパブは 外のデッキにも

木造のイスとテーブルが 置かれていた

オレは そこに深く腰を下ろした


『ふーっ やっぱ人が多いところは疲れるな・・』


いちいち話してはいないが 人がいるところには

必ずその分 霊もいる

そいつらがまとわりついてきて オレは非常に

疲れる


ただ 5年前の経験から その霊たちに対して

『むげ』にはしないようにしようと 心がけてはいた 
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