≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「リンコちゃん!そんな事ないわ!

『こんな時』だからこそ連絡をするのよ

確かに リンコちゃんは

見た目には たいしたケガはしていないわ

足の スリ傷くらいよね

でもね 心に とても深いキズを

作ってしまっているの

目には見えないキズ・・・

こんな時は お母さんに頼るのが 

一番なのよ

お母さんだって そんな時は

頼られたいと 思ってる!

私だって そうだもの 間違いないわ!」


「本当に 迷惑じゃないでしょうか?」


リンコは そう ハルの母親に尋ねると


「迷惑? そんな心配は 自分が

お給料を貰うようになってから

使うセリフよ!」


の 言葉に安心したのか


「じゃあ・・・おばさん・・・

携帯で お母さんの職場に

電話・・かけてもらってもいいですか?」


「うん!勿論!!」


そう 言って ハルの母親は

リンコの母親の職場に電話して

リンコの母親と話した


電話を切って ハルの母親は 


「そろそろ 春菜の病室に行ってくるわね」


と言って 階段横のエスカレーターで

3Fに 昇って行った


オレは ハルの母親が このことを

病室のハルに すぐに教えるだろう

と思っていたが オレのカンは外れた


しばらく経っても ハルは降りて来なかった

松葉杖を使って動ける と 

ハルの母親から さっき聞いたので

もしこの話しを聞いていたら 

すぐにでも ここに 来ただろう


まだ どうなるかも分からない 坂本の状態を

中途半端に 報告する事は『よくない』と

母親として 判断したのだろう
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