≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
それから 40分ほど経って

リンコの母親は 病院に到着した

また ハルの母親も リンコの母親が

来たかどうか 様子を見に来た


「お母さん!」


「輪子!!」


リンコの 母親は 走って来た


母親の姿を見て 安心したのか

リンコは また 涙目になっていた


「輪子 大丈夫?怪我は?足だけ?

他には どこも打ってない?」


リンコの 母親は 足以外に

リンコが 怪我をしていないか

全身を くまなく見て回った


「大丈夫!私は 大丈夫なの!

でも 剛が・・・ひっく・・・

・・剛が 私のせいで!・・ひっく」


リンコは またしゃくり上げだした

リンコの母親が 手術室の方を見た


「あの方は?」


リンコの母親は おおかた予想はついていたが

リンコに 確認したかったのだろう


「剛の・・・お母さん」


それを リンコから 確かめると

リンコを その場に置き

坂本の母親の元へ コツコツと 歩いて行った


リンコの母親は 坂本の母親の 座っている

場所より 少し手前で立ち止まった


そして 深々と頭を下げた


「申し訳ありませんっ!うちの・・・

うちの娘のスクーターを

使わせてしまったばかりに・・・

本当に 申し訳ありませんっ」


それを見て リンコも 母親の元へ走って行き

自分も頭を下げた


日曜で 誰も居ない 外来の待合室から

手術室までの廊下は 小声でも

声が響くほどに 静まりかえっていた
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