≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
でも・・・

高熱で 歩いてたから

私・・・

その事を伝えられたかどうか

自信が無かったのよ・・・


車にたどり着いて すぐに・・

意識を失ってしまったの・・・」


自分を保護する為に ウソを言っているのだと

オレは思った


「それは おかしいですね!

再び 山に迎えに来た人は

あなたを『乗せた』と言わなかった

そうじゃないですか

自分だけ 助かろうとしたことを

口止めしてたんじゃないですか?」


オレは 『ひるまない』と決めていた


「私は 口止めなんて・・・

とにかく 意識を失って

病院に運んでもらったわ

その車の主が 私の事を

島田君たちに 言わなかったのは・・・

先に・・・私だけ運んだということを

知られたくなかったからよ・・・」


どうして 運転手が

宮田 奈津子を かばわなきゃならないんだ・・・?


「あの土砂降りの中 

車で迎えに来ていたのは

私の『父』よ・・・」



激しく降ってきた雨の中・・・

まだ 山から戻らない娘を

心配しない 親はいない・・・


やっと 娘と 会えた瞬間

娘が高熱で 倒れてしまったとしたら


まだ山にいる人間を 助けに行くことを

優先させる『親』は いるだろうか・・・


重体の人間が 居たことを

『知っていた』のなら

他の方法で 高野先生たちを

もっと早く助けに行かせていただろう・・


『知らない』でいたなら…

真っ先に 自分の子供を助けるのは

当然だろう
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