≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視１』より～

知るが煩悩　知らぬが仏


これを　実行したのは　

宮田　奈津子の　父親・・・


坂本の祖父だ


高野先生の『死』にまつわる　

親子の『因縁』に

言葉では言い尽くせない　

『深さ』を感じた


「じゃあ・・・　どうして・・

中道さんと　島田さんに・・・」



『私は　意識を失って何も知らなかったと

言わなかったんですか？』

・・・そう　

言いかけて・・・やめた



『弁解』したら　　

『責められる』までは　いかないにせよ

今度は　自分の『父親』が『悪く』

思われてしまう・・・


可愛い娘である・・・『自分』を

最優先で　助けてくれた『父』を

『悪者』にしたい娘も　また

いないだろう・・・


「でも　せめて・・・

高野先生に　お線香の一つでも

あげに行って　あげましたか？」


宮田　奈津子は　再び長いすに

腰掛けてから　首を　横に振った


「いいえ・・・

行っていないわ・・・　

私の顔なんて・・・先生は・・・

見たくないはずだもの・・・

私が　先に病院に運ばれたばかりに

先生は・・・・私のせいで・・・


ずっと　苦しかったのよ・・・


でも　私もやっと　結婚出来て

子育てをして　あの事故の事を

忘れかけていた時


圭治が・・・　あの場所で・・・

事故にあった・・・」