≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「奥村くん・・・」

名前を呼んだのは ハルの母親だった


オレは 酔いしれている気分を

抑えつつ 返事をした

「はい」


「あなた・・・普段から・・

『そう』

・・・なの?」

ハルの 母親は 心配そうな顔で

オレを見ている

ハルの 母親の言った


『そう』とは


『霊が見えるのか?』ということだ


オレは 腹をくくった


「はい」


「じゃあ・・・昨日 奥村くんが

帰った後に 春菜の様子が ヘン

だったのも・・・

その事に 関係があるのかしら・・」


ハルの 母親は 元気をなくした娘を 

励ますことのできる 『理由』を  

出来るだけ 『集めて』おきたいかのように

オレに 問いかけてきた


「すいませんっ」


オレは ハルの 母親に頭を下げた


「奥村くん?」


「オレ・・・ ハルの・・・『守護霊』

を 昨日 初めて見て・・・

その人に オレじゃ ハルを『守れない』

って 言われたんです・・・

一緒に居たら ハル苦しめる事になるって・・・

それで 昨日・・・

病院を飛び出したんですけど・・・

ハルにも うまく・・・伝えられなくて・・・」


ハルの 母親は 黙って聞いていたが
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