≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
そうだった

日村令子が『オレ以外』の奴らにも見えてるのかどうか

確かめたかったんだった!

やっぱ、てっとり早いのって…


「ハル…、あのさぁ…」


また、5秒の沈黙

「なに?」

ぶっきらぼうに返ってきた


「今度きた教育実習生でさ、ひ…ひむら…」


「あぁ、日村令子先生?」


「う、うん。そうそう、その先生…」


突然、ハルの表情が変わった


「え~、やっぱりなぁ…

ヒカルもタイプなんだぁ

『キレイなお姉さん』って、カンジだもんね、日村先生!

うちの3組でも、男子がスゴイ騒いでるよ

そのうちファンクラブでも出来るんじゃない?

…なに?ヒカルも日村先生のファンクラブ、入りたいの?」



ハルはやっと、オレを見たが

その目は少し睨んでいた


「あ、いや、オレは違うよ!」


慌てて反論


「でっ、でもさっ、そうなんだよ~

1組でもみんなが騒いでるからさぁ…

どんな先生なんだろうなぁ…って

ちょっとハルにきいてみたかっただけなんだ…」


そういうと、ハルは目を丸くして


「えっ?日村先生知らないの?

ヒカルって、やっぱりなんか他の人たちと『ズレ』てるよね

でもまぁ、そこが、私は好きなんだけどネ!」


ハルの機嫌が戻ってきた


「あっ、ほら!あの先生だよ。日村先生って!」

< 19 / 307 >

この作品をシェア

pagetop