≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
あの後 日村先生に 啖呵をきった後

坂本の兄さんの 通夜と葬式に 出席はしたが

勿論 坂本は入院中で オレは坂本に会うことは出来なかった


携帯にも 自宅にも 何度か電話したが

坂本が出ることはなかった


そのうち 携帯も解約したらしく つながらなくなった

そして 担任の小津から 坂本が 学校を正式に退学したと後ほど告げられた



「その 『関係霊』に対して お水をあげるの

これは 『供養者』として認めて貰うために 『最低限』やらなければならない事なの」


「子孫がいないから 誰もお水をあげてくれないからですか?」


「それもあるわ でもね ここで最も重要なのは 霊と『約束』を交わすという事なの」


「約束・・・ですか?」


「そう 『自分』がちゃんと『供養』していきます!っていう『約束』

『関係霊』たちはね その『お水あげ』の『態度』を見て まず『判断』するわ

その『供養者』が 『本当に』信頼できる者かどうかということを

ひと口に『供養していきます』という人は 沢山いるけど『供養』とは

生半可な事ではないの

それだけ『大変』で時間のかかる事なのよ」


「オレに・・・出来ますか・・・ね」


たった『お水あげ』一つに オレは ビビっていた

中途半端な事をすれば 痛い目に遭うのではないかと思った

日村先生は そんなオレを 見透かしていた


「だから 『出来そうにない』と 思うのなら やめた方がいいわ

悪霊たちを かえって『逆上』させることに繋がるから

やっと 供養してくれる人が出てきたと思ったら すぐに忘れられて

『期待』させた分 『相応』の事が返ってくるわ」



『ピカちゃん・・・』


樹花の声が 聞こえたような気がした


< 219 / 307 >

この作品をシェア

pagetop