≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
発作
次の朝
オレは 昨日 日村先生に言われた通り コップにお水を2杯 流しの蛇口の横に上げた
「ちゃんとやりますんで見てて下さい 宜しくお願いします」
なんとなく そんな言葉も出てきた
久々に 樹花と同棲していた部屋で 一晩過ごした
長谷川のアパートと違って とてもキレイに片づいていた
元々樹花は几帳面だが
朝 飲んだであろう紅茶のカップも キチンと洗って片付けてある
オレが いつ帰ってきてもいいように してくれていたのだろう
部屋の中は しーんとしていた
樹花がドジして テーブルで足をぶつけることも
テレビのリモコンが無い と探し回って
オレが立ち上がると オレのお尻の下にあって笑ったことも
今は まるで すべてが夢だったかのように
この部屋は ドラマを終えて使われなくなった セットのようだった
『樹花・・・』
オレは いつも『大切なモノ』に気づくタイミングが遅い
失いかけて 焦って掴もうとする
いったん掴んだと思っても それは幻で
スルスルと オレの手の中を抜けていく・・・
結局 オレは何も掴めないまま
芸の出来ないピエロのように立ち尽くしていた
それに気付かされたのが 昨日だった
ハルと別れた時以来の 『苦しさ』が蘇ったのは・・・
オレは 久しぶりに樹花と待ち合わせをした
自分から 部屋に戻るのを避けていたオレは
樹花から『話しがある』との申し出に
「外で会うのなら・・・」
と オーケーした
『話し』とは 後で樹花本人から聞いたのだが
結局・・・病気で入院しなければならないという話しだった
オレは 昨日 日村先生に言われた通り コップにお水を2杯 流しの蛇口の横に上げた
「ちゃんとやりますんで見てて下さい 宜しくお願いします」
なんとなく そんな言葉も出てきた
久々に 樹花と同棲していた部屋で 一晩過ごした
長谷川のアパートと違って とてもキレイに片づいていた
元々樹花は几帳面だが
朝 飲んだであろう紅茶のカップも キチンと洗って片付けてある
オレが いつ帰ってきてもいいように してくれていたのだろう
部屋の中は しーんとしていた
樹花がドジして テーブルで足をぶつけることも
テレビのリモコンが無い と探し回って
オレが立ち上がると オレのお尻の下にあって笑ったことも
今は まるで すべてが夢だったかのように
この部屋は ドラマを終えて使われなくなった セットのようだった
『樹花・・・』
オレは いつも『大切なモノ』に気づくタイミングが遅い
失いかけて 焦って掴もうとする
いったん掴んだと思っても それは幻で
スルスルと オレの手の中を抜けていく・・・
結局 オレは何も掴めないまま
芸の出来ないピエロのように立ち尽くしていた
それに気付かされたのが 昨日だった
ハルと別れた時以来の 『苦しさ』が蘇ったのは・・・
オレは 久しぶりに樹花と待ち合わせをした
自分から 部屋に戻るのを避けていたオレは
樹花から『話しがある』との申し出に
「外で会うのなら・・・」
と オーケーした
『話し』とは 後で樹花本人から聞いたのだが
結局・・・病気で入院しなければならないという話しだった