≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
メールは『下書き』になっていた

『送信相手』を確認すると 宛先は『オレ』になっていた

オレは ホッとした

『大好き!』の相手は オレだった

この約6ヶ月 オレの

「そっとしといてくれ」発言に 樹花は事務連絡係のように

必要な事しか 連絡をして来なかった

勿論 それはオレに『ウザい』思いをさせないために 樹花がオレに気を遣ってのことだ


今日は 久々に『会える』オレに 今の気持ちを伝えようとしたのだろうか

これから『会う』オレに メール?

待ち合わせ時間に 遅れて行っていたワケではなかったオレは

他に何か『用事』を頼むために メールしていたのかもしれないと思い

樹花の書きかけのメールを 念の為確認した


『今日ね やっとピカちゃんに会えるね(^_^)

私 最近 頭痛がヒドかったから 薬とかいっぱい飲んで

むくんでヘンな顔になっていないか 心配(^_^;)

だからね せめて今日は 私の一番のお気に入りの服着て ピカちゃん待ってる


それからね…

今から ピカちゃんに 私にとって辛い話しをしなきゃならない…

ピカちゃんは そんな事聞いても・・・別にどうってことないのかもしれない

もう… 私の事なんて なんとも思ってないんだろうから…

私も… もうピカちゃんとは 一緒に居られなくなる事

すごく辛い 

寂しい…

怖いよ…

でも 一緒に生活出来るって 決まってからは

全部 良い方に考えるようにしようって 思えるようになったから

残された毎日を 暗い気持ちで無駄に過ごしたくない

暗い女だと思われたくない

最後を『暗い思い出』にしたくない

でも ここにだけは 本音でいいよね


これは 送信される事のないメール・・・


ここにだけは 吐き出していいよね


大好き!』
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