≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「でも 本人の霊能力が10で『霊格』が40だとしたら

悪霊が時々『カン違い』をするの

チカラのある人間だと思ってね

『この人に助けてもらえる』ってくっついてくるの」


「憑かれた人は どうなるんですか?」


「少しの間だけだったら 金縛り程度で済むけれど

急な事故や突発性の病気 精神異常・・・症状は様々よ

悪霊が『この人では成仏させてもらえない』と早く気付けば

それだけ症状は浅くて済むけど 悪霊にも色々いてね

『成仏させてもらえない』と分かっても 

じゃあ今度は『自分の仲間にしよう』と思って

その人から『肉体をはぎ取る事』即ち『命を奪うこと』をしたりもするの

そういう場合が一番コワイわ」


「じゃあ ハルはそのパターンだったんですか」

「そう 浅川さんの霊能力は低いわ おそらく15くらいかしら

でも 彼女の守護霊はとても能力の高い方だったわ

勿論 あなたの『守護霊』よりもね

ただでさえ 浅川さんは 大きな『霊』に狙われやすいのに

更に『霊能力』の高い あなたが浅川さんの側に居たら

それだけ手強い相手がたくさん寄ってくるのだから

『守護霊』だって チカラが持たなくなるわ」


「でも 能力の高い『守護霊』なら ずっと助けてくれるんじゃないですか?」


「『守護霊』が『本当の意味』でいざという時 『守護』出来るチカラは

『3回まで』と決まっているの

勿論 悪霊のチカラが強ければ強いほど

その3回分を『1回』で使い切ってしまうことだってあるわ」


ここまで聞いて オレはやっと『事情』が呑み込めた

あの時 オレがダメだった理由


「あの頃のあなたでは チカラを持て余しているだけで

何も出来ないでいたはずよ」


「樹花は… 霊能力が高いんですけど…」


「そうね… 私が今まで会った中では 2番目くらいかしら…

あなたの『次』にね…」


日村先生は オレに初めて会った時を思い出したかのように微笑んだ
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