≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
『あの頃は オレもいけ好かない女だ』

と思っていた事を 少しだけ反省した


「ただ 彼女自身の『松永家』も かなりの『因縁』を背負っているわ

今回彼女の『守護霊』としてついた方も

あまりの『悪霊』からの攻撃にチカラを消耗してしまっているの

松永さん自身も 霊能力が高い分 『浄化』に体力を使うから

そこで 本人の身体と霊格のチカラが 弱まるとそのスキを狙われるの

松永さんは 今その状態よ」


「・・・オレと居た事も影響してますか・・?」


オレは 恐る恐る訊いた


「松永さんは…彼女自身が『霊能力』が高かった

だから 同じ『霊能力』の高いあなたと一緒に居られた事は

彼女にとって『幸い』だったわ

もし・・・あなたと出逢っていなければ

彼女はもう 『手遅れ』だったかもしれないわね」


・・・とオレは 日村先生の言葉に動きが止まった


「・・・『手遅れ』だったかもしれない・・・ってことは

まだ・・まだ『間に合う』ってコトですか!!?」


「あなた次第よ」


日村先生は タクシーの進行方向を見つめた


『オレ 次第・・・』


「先生!オレやりますから・・・今度こそ ちゃんとやりますから!」


日村先生は しばらく黙った


「あなた・・・ 松永さんの事・・・全て受け入れる覚悟があるの?」


「はい 勿論です!だから 先生に会いました」


オレは 今度こそ自身があった

この気持が揺らぐはずがない

本気でそう思っている


「そう・・・」


日村先生は それだけ言うとまた黙った

それから間もなくして タクシーの運転手に話しかけた


「止めてください」
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