≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
坂本はそう言ったが 坂本の隣でオレは違うことを思った
『いや 違うんだ坂本
オレは変わったんだ オレは…昔とは違う・・・
そうでなければ 恐らくオレは 今この場に居ない・・・』
続けて坂本が喋った
「オレあの頃 死んだ方がマシなくらいの痛みと 左目を失くしたショックで
『健康な人』『五体満足な人』を見るだけで辛くてたまらなかったんだ
だから 皆を遠ざけてた 本当に悪かった」
後部座席から リンコが鼻をすする音が聞こえた
7年前の病院で 目を真っ赤に腫らして待合室にいたリンコをオレは思い出した
「本当に辛くて 身体が起きあがれるようになったら 飛び降りて『死のう』
そればっかり考えてた
そんな時だったんだ 俺の夢の中に 俺の兄貴が出てきたんだ」
「夢に?」
「あぁ 兄貴は『植物状態』だったにも関わらず 元気そうでさ
『俺はもう大丈夫だから』って ニコニコ笑ってるんだ
俺はメチャメチャ顔痛いのにさぁ 自分だけ幸せそうに笑ってるんだ
俺 思ったよ
『なんだ 兄貴が良くなったから 今度は俺の番か・・・』って
そしたら 後から『兄貴が亡くなった』って聞いて
俺が兄貴の夢を見たのは ちょうど兄貴が亡くなった日だったんだ
あの時は 通夜と葬式来てくれたんだってな 有り難う…」
「いや・・・」
オレは 首を横に振った
「そして 夢の中で兄貴がオレにもう一つ伝えに来たことがあるんだ」
「剛・・・」
「なんだよ 兄貴!いいよなぁ 自分ばっか良くなってさ 見てよオレひどいケガだろう?」
すごいケガの割に 剛の口はよく喋ることが出来た
「あぁ~ まぁまぁかな」
『いや 違うんだ坂本
オレは変わったんだ オレは…昔とは違う・・・
そうでなければ 恐らくオレは 今この場に居ない・・・』
続けて坂本が喋った
「オレあの頃 死んだ方がマシなくらいの痛みと 左目を失くしたショックで
『健康な人』『五体満足な人』を見るだけで辛くてたまらなかったんだ
だから 皆を遠ざけてた 本当に悪かった」
後部座席から リンコが鼻をすする音が聞こえた
7年前の病院で 目を真っ赤に腫らして待合室にいたリンコをオレは思い出した
「本当に辛くて 身体が起きあがれるようになったら 飛び降りて『死のう』
そればっかり考えてた
そんな時だったんだ 俺の夢の中に 俺の兄貴が出てきたんだ」
「夢に?」
「あぁ 兄貴は『植物状態』だったにも関わらず 元気そうでさ
『俺はもう大丈夫だから』って ニコニコ笑ってるんだ
俺はメチャメチャ顔痛いのにさぁ 自分だけ幸せそうに笑ってるんだ
俺 思ったよ
『なんだ 兄貴が良くなったから 今度は俺の番か・・・』って
そしたら 後から『兄貴が亡くなった』って聞いて
俺が兄貴の夢を見たのは ちょうど兄貴が亡くなった日だったんだ
あの時は 通夜と葬式来てくれたんだってな 有り難う…」
「いや・・・」
オレは 首を横に振った
「そして 夢の中で兄貴がオレにもう一つ伝えに来たことがあるんだ」
「剛・・・」
「なんだよ 兄貴!いいよなぁ 自分ばっか良くなってさ 見てよオレひどいケガだろう?」
すごいケガの割に 剛の口はよく喋ることが出来た
「あぁ~ まぁまぁかな」