≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「なにが まぁまぁだよ で何して遊ぶ?」


剛は 小学生の頃兄と2人でよく遊んだ時の年齢でいた

しゃべり方や 思考は 高校生のままではあったが


「キャッチボール!」

「えぇ!兄貴5才も年の離れた俺に手加減しないからイヤなんだよな~」

「大丈夫だって!」

「ウソばっか!そう言いながら いつも早い球投げるじゃないか」

「大丈夫だ!って そら」

剛と剛の兄圭治は いつの間にか 手にグローブをはめ 圭治が剛にボールを投げてきた


バシッ!

「ほら 取れただろ!」

「うん じゃ こっちからいくよ」

剛は身体が小さかったので 圭治に向けて思いっきり球を投げた


バシッ!

今度は圭治が剛の球を受け取った

「おっ 成長したなお前! 球早くなってるぞ」


バシッ

バシッ

2人は しばらくラリーを続けた

剛は圭治と遊んだ中で 今が一番楽しかった

お互いが相手を思い 相手のとりやすい球を投げ合う

最高のひとときだった


圭治がキャッチボールをしながら また話しかけてきた

「なあ 剛!おまえこれから大変だな」


「何が?」


バシッ


「なんか・・色々」


バシッ

圭治のにごすような言葉に 何が隠されているのか分からなかった


「別に心配することないよ!俺 どうせもうすぐ死ぬし!」


突然辺りは幼い頃よく遊んだ公園になっていた


いつの間にか キャッチボールは終わっていたようだ

グローブもボールもなく 今は滑り台の上に 剛と圭治はいた
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