≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
車はようやく 『竜尾山』についた

7年前 坂本ともハルとも一緒に食べられなかった

うどんの炊きだしがあった場所から

裏手の山道を 以前のように宿泊所まで車で登って行った

宿泊所に到着し

オレたちは降り立った


坂本は 車を降りる直前に

「俺 決めたんだ
兄貴の出来なかった事…
俺が『全部』やっていくって・・・」


そう言って 車を降りた


中道さん 島田さん 坂本がバンのトランクから何やら 石のようなモノを抱えだした

白い紙にくるまれたその石は地面に置くと 大きさはちょうど リンコの膝くらいの高さで

墓石の『○○家』と書かれた部分を 小さくしたような長方形をしていた


男3人は その石碑の様なモノを 楠木の前へ持って行った

楠木の前には 7年前にはなかった

『木の札』

が立ててあった


『いつの間にこんなもの・・・』


木の札に近づいて

書いてある文字を読んでみた


『三界万霊 仮供養』


と筆で書かれてあった


「さんかいまんれい?」


オレは ゆっくりと呼んだ


「さんかいばんれいよ」


突っ込んだのは 日村先生だった


「1年前に ようやく

そこまで出来たのよ」



オレは まだイマイチ

ピンとこなかった


坂本が 『三界万霊 仮供養』の木の札をどけた

そして その場所に 今持ってきた石を置いた

石を包んであった白い紙がビリビリと破かれた

破かれた石の表面を見ると


『三界万霊』と書かれていた


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