≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
オレは それをパラパラとめくった

全て『漢字』の『羅列』だ

『これでどーやって『勉強』するんだ…!?』

オレは 正直そう思いながらも

『般若心経』とにらめっこをしていた


オレは その時…

ふと 思った…

そして 車に乗っている全員の顔を見回した


運転している中道さん

助手席の島田さん

オレの隣に座っている坂本

後部座席の 坂本のお母さん

その隣のリンコ

そして日村先生・・・


みんな みんな『微笑んでいる』


この『供養』がなければ

皆こうやって集まることも 顔を合わせることもなかった

そんな皆の顔を見て オレは思った


これはやはり


『間違ってない』


高野先生のご両親

瓜生さんのご両親


それぞれが 身を裂かれるような辛い経験をし 苦しんできた


しかし この『供養』が 皆を集め一つにし 笑顔にした


オレは 今まで自分のことばかり考えていた

樹花の事もそうだ

オレは 樹花に何をしてきただろうか

オレの持つ『最高のモノ』

地位も名誉も金もないが

他の人より秀でた オレの中で

『最高のモノ』

この『能力』で 樹花さえも救ってきていなかった


『もっと強くなろう』


そして


『もっと ホンモノになろう』


その次の段階のことは

せめてもう少し強くなってから

考えることにしよう


オレは 心の中で固く誓った
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