≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「天・・・使?」


「はい!」


「あの…羽が生えて 子供みたいな あと頭の上に金の輪っかが光ってる?」


「はい 男の子です」


「・・・・・・」


天使に性別なんてあったっけ?


オレは チラッとオレの右隣に座っている日村先生を見たが

日村先生は 出されたコーヒーをブラックで飲むところだった


オレは 山田氏に改めて尋ねた


「あの… 山田さん…

絵里香さんの男性問題で相談・・・ってまさか… 」


山田氏は さらに深くふんぞり返り後頭部を左手で掻いた


「いや~… うちの絵里香も『超能力者』なんじゃないかと思って…

いやねぇ… 色々よく当てるんだよ 亡くなった俺の母親…つまり絵里香の

祖母が生前好物だったものを言い当てたり

ウチで飼っている犬の具合が悪い時に『塩水』を飲ませたら

ケロッと治ったり

俺の愛用のゴルフクラブが折れることを『予言』したり…

どうです? すごいでしょう?!」


山田氏は のけぞっていた身体を 今度は前のめりにし

日村先生の顔を覗き込んだ


日村先生は 一口飲んだコーヒーカップを元のテーブルの上に戻した


『超能力者』・・・って オレたちはスプーン曲げはやってない・・・!


「すべて エンジェルが教えてくれるんです」


絵里香ちゃんは 相変わらずニコニコしながら話した


はっきり言ってオレは どう対応したら良いのか全くわからなった


「それで・・・ どうして『エンジェル』はあなたの側に居るの?」


言葉を放ったのは 日村先生だった


『・・マジで?!しっかり話しに乗ってるよ!!』
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