≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「わぁ… やっぱり先生には見えるんですね!

良かったぁ!私・・・コレ信じてもらえなかったら

先生は『ニセモノ』だと思っていました」


『・・・そうなの?!』


絵里香ちゃんは どうやら『マジ』で『エンジェル』が見えているらしい

どうやら 日村先生もそうだ


オレは 日村先生と初めて『霊』の話しをした時の事を思い出した


オレもあの時 やっと初めて『理解者』に会えたと思った

すごく嬉しくて・・・すごく安堵感を覚えた記憶が蘇ってきた


『この子も・・同じなんだ・・・』


オレは この絵里香という女の子の『笑顔』の奥に隠されている『孤独』に同情した


「私!バースデーの『エンジェルナンバー』が『11』なんです!

コレって 神様からのメッセージを

世の中の人に正しく伝え 導く役目があるんだそうです

なので この『エンジェルくん』は私にその役目を果たさせるために

私にくっついてるんです

そして『大切なコト』を私に教えてくれるんです」


オレは この『エンジェルっ子』の後ろを 眉間にシワを寄せて凝視したが

彼女の右肩には何も見えない

左肩には 他の人同様 フツーに憑いてる

でも まぁこの程度なら他の人と『同じ』だ!


それに・・・『霊能力』は40もなさそうだが・・・

やはり『守護霊』が見えないというのが

彼女がどういう『状況』なのか判断しづらくさせている


「・・・そう

いつ『彼』は来てくれたの?」


「母が亡くなる少し前からです!」


オレは仏壇を振り返った

仏壇の横に掛けられている写真は この子の母親なのか・・・

まだ うら若く美しい女性が微笑んでいる

オレは ますますこの子に同情した


オレは 感情移入した視線で日村先生を見た

が・・・

日村先生は 目を伏せがちであったが

その目の鋭さは 目を合わさなくても伝わってきた

きっと 今 何かを感じ取っているのだろう・・・
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