≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
ヒカルは女性にしがみつこうとしたが

女性は 手を放した瞬間

とても遠くに居て ヒカルを心配そうに

振り返りながら 歩いていた


ヒカルは また1人になった・・・


「ううっ・・・ううう・・・

うあああああーーーん・・・」


ヒカルは また置き去りにされた


見捨てられたという辛さと寂しさが入り交じって

ヒカルは 一層激しく泣いた


すると


「ボク!どうしたの?」


そこには ヒカルよりも少し年上の女の子が立っていた

その女の子の後ろには うす紫色のきれいな着物を着た

とても品の良い女性が立っている

女の子は 足にケガをしたのか

血をダラダラながしながら 裸足で立っていた


しかも 走っていたらしく

ハァ ハァと息をきらしている


ヒカルは今度こそ この2人について行こうと思った


「おじいちゃんが・・いなくなった・・」


「そうなんだ!おばあちゃん この子迷子だよ!」


そう言って女の子は 自分の後ろの女性を振り返った

その女性は ヒカルの後ろを指さして


「あっちよ」


と言った

女の子も その女性の指さす方向を見た


「あっ ほら 大丈夫!

見て!あそこに行けば帰れるよ!」


ヒカルは そう言われたので

おそるおそる後ろを振り返った

そこには 輝きに満ちたまぶしい『光の世界』が

ヒカルを待っているようだった


ヒカルは なぜかその『光』を見ると

急に懐かしくなった
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