≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
樹花は 青白い顔でニコッ と笑った


左頬のえくぼは 相変わらず樹花のトレードマークだ


「ピカちゃん・・・『おじいちゃん』って言ってたよ」


「そうなんだ・・・・今 夢を見てたんだ・・」


「夢?」


「うん!オレがまだ小さい頃 海で溺れたことがあってさ

おじいちゃんが助けてくれたんだ」


「うん…」


「助けてすぐ後 オレのじいちゃん 心臓の発作が出て

助からなかったらしいんだ」


「オレは 小さくてその時のことは

あまり覚えてなかったんだけど・・・

オレも その時だいぶヤバかったみたいで

オレの葬式をする覚悟をしといてくれって

母さんは医者に言われてたらしい」


「へえ~ そんなことがあったんだ」


樹花は オレの話しを楽しそうに聞いている


「でも 助かったんだよな オレ・・・

なんか リアルな夢だった・・・」


「うん ピカちゃんが今生きてる・・・

私はそれだけで十分だよ・・・」


それからオレは 樹花に

樹花の病気が『手術出来る』事を伝えた


樹花は しばらく起きあがる事の出来なかった身体を起こし

オレに抱きついて 涙を流した

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