≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
よく そんなコト 淡々と言うよなぁ~

だったら…


「じゃぁ… じゃぁ なんで取り憑かないんですかねぇ

スグ後ろにいて 自分より 能力低いんだったら

さっさと 取り憑けばいいじゃないですか!

それとも なんですか? 先生が 『にらみ』

効かしてくれてるから 取り憑かないんですか?」


オレは 『なぜか』怒っていた

今まで 誰一人として 理解してはもらえなかった

この『チカラ』では あった

誰にも言えないでいた

でも 他の人には分からないコトが『分かる』という

優越感も 多少はあった

オレの 唯一の 他人にはない『才能』だ!

なのに… 今は この女に

完璧に 『してやられている』

しかも… まるで…

『能力が低い』みたいな 言われ方までされた

そんなんが ごちゃごちゃになって

オレは なんか ムカついていた


「奥村くん… 今は 時間がないから あまり多くを

話す事が出来ないけど… もし… そうね…

もし… あなたが この世界… 『霊』の世界について

の事を もっと 『知る』必要がきたと 感じた時は…

私は 間違いなくあなたの力になれるわ

でも それが あなたにとって 幸せなことなのか

不幸なことなのか… でも… 私と『出逢った』

ということは そういう事 いずれ… 分かる時が来るわ

どうあがいても この世界に 深く『関わらなければならない』

ということ そして その使命を 全うするまでは 決して

『逃げられない』ということ… それだけは 覚えておいて…」


オレは 先日の『夢の中』に 引き戻されたかのようだった

夢で 日村 令子 がオレに喋っていたのは このことだったのか…

オレの ムカツキも どこかへ消えていた


「明日の朝5時 さっきあなた達を 発見した場所に 私は居るわ

よかったら 来て

これから あのような霊に対して どうしたらいいのか

教えてあげるわ
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