≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「せっ…」


「先生」と 呼ぼうとした瞬間


-ギィッ


職員部屋のドアが空いた


「あっ 日村先生 キャンドルサービス始まりますよ」


なんだ 小津か…

さきほど オレに怒鳴った時とは 大違いの猫なで声


小津は 日村 令子に話しかけたあと

オレを 邪魔そうな 目で見ると


「奥村!早くみんなの所に戻れ

他のやつらも お前を心配していたぞ

もう みんなに 迷惑かけるんじゃないぞ!」


「はい…」

小津は エラそうに言い放って

日村 令子に イイトコを 見せつけたそうな

カンジだった

当の 日村 令子は 

小津には 目もくれず

さっさと 部屋を出て行った

小津が 「こちらですよ」と

慌てて 日村 令子を 追いかけて

小走りになっていたのが

笑えた



「明日朝5時か…」


オレは 呟いた

オレの これからの人生を考えると

確かに 『対処』の 仕方は

知らないより 知っていた方が

いいような気がした


それに まだ 日村 令子と

色々 話しがしたかった


霊能力の数値…


日村 令子に 会わなければ

そんな 事は きっと 知らないでいた


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