≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
そして そのお経のような半紙の少し上部の

左手に 塩  右手に 米

いずれも その辺に落ちていた 少し大きめの

葉っぱの上に 盛られた

塩の更に上方には 数珠が出てきた反対のポケットから取り出した 

『ワンカップ』の酒 を封をきって置いていた


それから更に 小さな木の板2枚を

『供養』と書かれた 半紙の上に置いた


小さな 木の板は よく神社などでもらう『お札』のサイズを

縦割りで 3分の1くらいに 縮小した大きさだった

後で知ったが この 木の板の事を 『護摩木』(ごまぎ)というらしい


日村 令子は 昨日のハルの 応急処置の時と同じように

テキパキと作業を進めた


オレは わけも分からず ただ じっと立ち

日村 令子のやる事を 見ているだけだった


護摩木を置いて ある程度準備が整ったのか…

「それじゃ はじめるわね」


というと 数珠をジャラッと鳴らし

2本ある護摩木の下の方に 塩を小さく盛り

さらにその後 米を順に盛った

それから ワンカップの酒に 中指をチョンチョンと浸け

2本ともの護摩木の上辺りに 酒を指で またチョンチョンと乗せた

その後 数珠を構えて 手を合わせ なにやらモジョモジョ言うと

もう一つの半紙に書かれてある 『お経』(?)

を 読み始めた

半紙一枚分のお経を読むのに 5分とかからなかった


オレは ただ ボー然と見ているしかなかったが

手を合わせて おじぎをする時だけは

なぜか 日村 令子に合わせて おじぎをした


日村 令子は お経を読み終わると

今度はオレに その並べられた 半紙と護摩木の前に

来るよう スマートに手招きをした

オレは 仕方がないので 指図されるまま

その 半紙の前に膝をついて 座った




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