≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
2人は 各グループに2個ずつ配られた

飯ごうの もう1つを 担当していた


この2人のにぎった おむすびは

横山のものより ずっと整っていた

横山のと並んでいたら 間違いなく

この2人の 握ったほうを 

先に食べるだろう


「ほら こっちは全部で10個出来た

5個をラップで包むぞ」


2人はうまく手分けして おむすびを

ラップにくるんでいった


「お…おう…」

横山は 少しバツが悪い感じだった

そして そのちょっと浮いた感情が

オレに向かった


「奥村!…おまえ このおむすび

『持つ係り』な!」


「なんで?」

「なんで?って さっきからおまえ一人

なんにもしてないだろ!あ…太田もか!」


「オレは 現場監督だ!」


「じゃぁ 奥村と太田 このおむすび

分けて持ってくれよ!」


「コラ!班長はオレだ!」


太田は かけていたメガネがずり落ちそうに

なるのを 押さえながら主張したが

皆無視して 豚汁をすすっていた


「仕方がない か弱いやつらのために

尽くすのも リーダーの役目だ…」


あきらめて 太田はそうつぶやきながら

やはり 豚汁をすすった

< 70 / 307 >

この作品をシェア

pagetop