≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
オレは 横山のにぎった野球ボールサイズの

おむすび3個をリュックに入れ


太田は形の整ったおむすび5個を

リュックに押し込め(?)た


まもなく 宿泊所を出発し オレたちは

下山した

空は うっすら曇ってはきたが

ギンギンに晴れている中を歩くよりは

楽だった

ただ曇の日は 『熱中症』に特に

気を付けるようにとの

先生の指示もあり

水筒を満タンにした


水筒に麦茶を移す時も やはり

ハルの事を 思い出した

水筒を空っぽにしてしまった時の

ハルのあの 目…


『オレの事 どう思ってるだろう…』


宿泊所を出発して 皆がそろそろ

バラバラに歩き出した時

オレは 日村 令子を捜した

今度は たぶん 後ろを歩いているはずだ


オレは 歩くスピードを落とした


女子にも 笑いながら抜かされる

屈辱にも耐えながら

ゆっくり歩いた


『なかなか来ないなぁ~』

そう 思い振り返った時だった


「キミが最後尾よ!」


日村 令子だった


やっと 見つけた…


オレは 何から話そうか

それとも 日村 令子から

話しかけられるのを待つべきか

しばらく 沈黙の中を歩いた
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